神輿に担がれる
後継者が社長に交代する時に理想を言えば、自分の右腕・左腕と呼ばれる
ブレインを側近として据えることが組織運営において大切です。
内閣総理大臣が交代する時に内閣のメンバーを総入れ替えするような
イメージです。
そのようなことが出来る社長交代というものは中小企業においてはまず
ありえませんし、大企業においても難しいことです。
民間企業において役員や社員の長年のキャリアがものを言うものです。
そもそも新社長が就任時に実力を兼ね備えていなければ、絶対に
実現しない理想論です。
後継者が社長になった時に自分を支えてくれる役員や幹部社員は先代の
社長のブレインであることが一般的です。
自分が育てたいわゆる「子飼い」の社員がいる増えない限り、本当の意味
で自分自身のカラーを出した企業の運営は難しいものです。
「神輿に担がれる」状態をポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかで
後継者にとって未来が変わってくるはずです。
まずは自分自身の能力を冷静に客観的に判断し、神輿に担いでくれる
幹部がいるなら、ありがたく神輿に担がれること。
ポジティブに捉えないと事業承継は成功しないのです。
但し、いつまでも神輿に担がれたままでは企業の発展はありません。
なぜならば、社長の器以上には絶対に企業が発展をしないからです。
神輿に担がれている間に自分の能力を高めておくこと。
これが事業承継のコツなのです。
神輿に担がれたままで年月が経ってしまうと後継者は「恐怖」を
覚えます。なぜならばもし神輿から降ろされたら、何も自分自身で
出来ないから。
結局のところ、神輿に担がれている間の後継者の頑張りが、企業にとっても
後継者にとっても、そこで働く社員にとってもすべてなのです。
後継者が「恐怖」を感じるような事業承継は失敗です。