未来への継承
世の中の変化のスピードは年々早くなる一方であり、半年前に
流行していた歌や芸も一年も持たずに見向きもされなくなってしまう時代です。
いつの時代もある日を境に産業の構造が変わってしまうことがあり、
それに対応の出来ない企業は会社の存続さえも危なくなってしまいます。
経済活動というものは大前提が平和な時にしか成り立たず、一たび戦争が
起きればどんな産業においても発展が難しくなってしまいます。
それでも日本には100年以上続いている企業が多くあり、存続をするには
幾多の危機を乗り越えていく強靭な体力と変化に対応する柔軟さを
兼ね備えていなければならないはずです。
10年先の未来を見据えた時に、消えてなくなるという産業がしばしば雑誌
の記事などに掲載されます。
私の本業である「葬儀」という仕事も30年先に産業として生き残っているのか
という予測に非常に厳しい答えが待っています。
人が亡くなることは変わらないのですが、そもそも人口減で需要が縮小して
いくことが必定な上、簡素な葬儀ばかりになっていくという予測の下では
葬儀社として生き残っていくにはなかなか大変な環境です。
事業承継において未来予想図が描けないということはまず成功しないはず
です。誰が後継者になっても産業そのものが成長をしていれば成功の確率
は上がりますが、未来に期待が持てない場合は事業承継は難しいものに
なります。場合によっては継承者が新たなビジネスに参入する創業者に
ならなければ成功をしません。
ただ継承をするだけでは企業を存続することが非常に難しい時代だからこそ、
未来をしっかりと予測する努力が必ず必要です。