非凡な才能
今年から大リーグに活躍の場を移した、大谷翔平選手が
投打に大活躍をされています。
同じ日本人として誇らしい活躍ですが、投手としても一流、
打者としても一流といういわゆる「二刀流」が世界最高峰の野球のリーグ
で通用するのかと多くの人が懐疑的であったことを簡単に跳ねのける
活躍には拍手喝采です。
こうなってくると周りの期待と欲が出てくるものであり、非凡な才能を持つ
大谷選手を使う監督はとても難しい起用の決断を強いられることになります。
事業承継において、非凡な後継者は事業承継そのものがうまくいかない
ケースが多々あります。後継者が優秀であることは喜ばしいことですが、
優秀であるということは、他の分野でも優秀であることに繋がります。
結果として、実家の事業を継承することは非凡な後継者にとって大幅な
収入減になったり、そもそもその人の持つポテンシャルが発揮できない
世界かもしれないのです。
私の知り合いの会社のご子息は外交官であり、外交官を辞めてまで
従業員20人程の会社を継ぐことはないということで結果的に事業承継は
成立せず、その会社は廃業の道を選びました。
会社が黒字で長年安定した経営をしていた会社が後継者が優秀すぎる上に
うまくいかなかった典型的な事例です。
事業承継が難しいのは後継者が優秀すぎてもダメということです。
もちろん、能力のない人が後継者になるということはもっとダメなことですが。
つまりは極めて不安定な「バランス」の上に事業承継の成否が
かかっているのです。
おかげさまで私の場合はあまり優秀でなかったので、事業承継は
うまく行きました(笑)
しかしながら、次の息子の代への事業承継はどうなるかはわかりません。
親として非凡な息子ならば誇らしいですが、事業承継に非凡な才能はなかなか
悩みどころなのです。