利他のこころ
企業を永続させていく為には利潤を追求していかなければなりません。
どんなに人の役に立つ仕事でも利益を生み出さない事業は永続することが
難しいものです。
企業が企業として存続していく為には、「儲ける」ということは絶対的な
要素です。そもそも企業が儲かっていなければ、誰も「後を継ぐ」という
行為には走らないはずです。
借金まみれの赤字企業であれば、企業再生を専門としているような組織の
方ならば別として、普通は跡継ぎの候補はいないのです。
近年、街の商店街がさびれていくのは後継者の存在がいないということではなく
儲からないから事業の継承を断念して廃業の道を選ぶ企業が多いという現実の
表われです。
後継者にとって「儲かる」というキーワードは絶対的に重要なことです。
もちろん、事業を始める起業者にとっても儲からない事業をやることは
基本的にはありえません。
初めは儲かることを信じることが、事業成功の活力であるのです。
自分自身の幸せを追求することからすべては始まります。
しかしながら、事業が順調に推移してくると、自分自身の幸せを多少犠牲に
しても社員をはじめとする関係者の皆さまの幸せを優先する気持ちが生まれて
きます。
さらには、儲けよりも社会貢献をすることに注力するようになっていくのです。
これが世にいう「成功者」であり、自分自身の利益だけを追求している状態
では世間の人は誰も成功者とは思って頂けません。
後継者に「利他の心」が生まれなければ、企業は存続していきません。
しかしながら、事業承継の最初から後継者に利他の心を求めるのは決して
得策ではありません。
後継者に他人を思いやる心が無いということではなく、自分のことを考える
ことしか余裕がないからです。
「利他の心」を」醸成することよりも、の後継者に利他の心を発揮できる
環境を整備することが事業承継の成功のカギなのです。