リスク回避
世の中には「まさか」という想定外のことが無くなることは永遠にはありません。
しかしながら、物事を円滑に進める為には「想定外を想定する」ことはとても
重要なことです。
リスク回避の基本は「想定と準備」であり、想定だけでは不十分なのです。
想定に基づいた各種の訓練や行動はとても大切なことなのです。
企業においても様々なリスクからの被害を最小限にするべく「想定と準備」
は経営者にとってとても重要な仕事の一つです。
事業承継に関するリスクといえば、先代社長と現社長もしくは
現社長と継承予定者が同じ車や飛行機などに同乗することはなるべく
避けたほうがよいでしょう。
万一の不慮の事故で二人ともあの世に行ってしまうような事態に
陥った時は企業においてとんでもない緊急事態になり、多くの場合は
倒産や事業停止が現実のものとなることが容易に考えられます。
ですから、例え同じ目的地でも一緒に移動することを極力避けるという
ことはとても大事なことです。
歴史的にも織田信長は本能寺の変で「まさか」の死を迎えることになり
ましたが、織田家の当主であった長男信忠も信長に同行し本能寺から
少し離れた妙覚寺を宿舎にしており、信長とともに亡くなってしまいました。
後継者が先代とともに亡くなったことで、織田家は天下を取ることが出来なく
なりその後は多くの皆様の知るところでしょう。
この失敗を知り教訓にした徳川家康は関ケ原の合戦も秀忠とは別のルート
で軍を進めていますし、秀忠に将軍職を譲った後は江戸から、駿府に
居を変え、もしものリスク管理を徹底して行っていました。
徳川家の繁栄の一因はリスク管理が秀逸であったのです。
事業承継にはリスク管理は必要です。さらに言えば事業承継そのものが
リスク管理手法であり、リスクを回避する為には積極的な事業承継を
常に考えていたほうが良いのです。