2代目の苦悩
私は葬儀社と社長としては2代目ですが、「2代目」の事業承継においては
とかくいろいろ周囲から言われることがあります。
それも大抵の意見が否定的な意見であり、事業承継の当事者としては
なかなか精神的に辛い経験となることが多いのです。
では、2代目の事業承継と他の事業承継とは何が違うのでしょうか。
そもそも2代目の事業承継は3代目・4代目と続く事業承継とは異なり、
その該当企業において「初めての事業承継」であるということです。
当たり前と思われるかもしれませんが、該当企業において前例も
事業継承のノウハウも無いのです。
しかも、必ず創業者から継承であるということです。
例えば、2代目から3代目に事業承継をするときは2代目はかつて
譲られる側の体験をしているので、譲られる人の気持ちが理解できますが、
創業者には会社を譲る側の気持ちは解るが、譲られる側にはなったことが
無いということです。
加えて、ゼロから会社を発展させた創業者は多くの方がパワフルで破天荒で
あり、クレージーな方々が多いのです。
そのような個性を持っている前任者からの引継ぎですから、そこ様々な
苦難が発生することは当然と言えば当然です。
2代目というのは生まれながらにして「跡継ぎ」ではない場合もありえます。
普通のサラリーマンであった父親が創業した会社を継承するケースなど
はその典型でしょう。
その後に続く、3代目・4代目を担う人々は生まれながらして跡継ぎという
宿命を持っている人と比べれば、幼少期より続く帝王教育という点には
おいては2代目は絶対的に不利な環境なのです。
結果的に2代目の事業承継は苦難の数は多くなる傾向にあります。
しかしながら、2代目の事業承継がうまくいくことで、3代目・4代目に
継承することが容易になってきますし、2代目の事業承継の成功無くして
100年企業の道はあり得ないのです。