ワンマンとワンチーム
昨年2019年はラクビーのワールドカップで日本中が興奮した一年でした。
そこから生まれた新語・流行語大賞の「ワンチーム」という言葉は
ラクビーというスポーツが一人では絶対に勝てないということの
象徴のようなことばです。多くの企業や団体などの組織も一人の力では
どうしようもならないことを「組織化」してチームで取り組むからこそ
達成できる目標や目的があるのです。
反対に強力なリーダーシップが必要なことがあります。
混沌とした時代の中で、突き抜ける力は複数の人間が喧々諤々と
議論するよりも一人の強い力で引っ張っていったことのほうがよいのです。
「ワンマン」という言葉はどちらかというと否定的な意味で使われることが
多いのですが、「ワンマン」そのものが悪いことではありません。
企業においては特に創業時のゼロからイチにする時のパワーは
ワンマンの方が上手くいくことが多いのです。
事業承継においての悩みどころは「ワンマン」の組織から「ワンチーム」
の組織に変化をすることが必要な時に様々な苦難が発生するのです。
代々強力なリーダーシップで組織をけん引することが可能ならば、
「ワンマン」の事業承継をしたほうが組織は強いのです。
しかしながら、大抵の場合は先代のほうがカリスマ性があり、後継者の
ほうがカリスマ性が無いものです。
これは冷静に考えれば当たり前のことです。
後継者は先代と比べれば実績が無いのが当たり前です。
つまりは事業承継時には強いリーダーシップが発揮しにくい環境は
必然的に存在するのです。
ですから、後継者を守る意味合いでは特に承継時に「ワンチーム」
に組織がならなければ事業承継はうまくいきません。
その為には先代が一時的でも強力な「ワンマン」は封印しなければ
ならないのです。
「ワンマン」と「ワンチーム」。
変わりゆく組織の環境に順応するように変化できる組織が
一番強いことは明白な事実なのです。