貸借対照表と損益計算書
企業を経営していくには経営の状況を客観的に判断することが
とても重要です。客観的に判断する為に「数値化」は必須項目であり、
数値化した文書を表にしたのが「財務諸表」です。
その中でも特に重要な表が「損益計算書」と「貸借対照表」です。
近年、この表だけでなく、手元にあるキャッシュ(現金)がどれだけ
あるかを明確にする「キャッシュフロー計算書」も重要視されていますが、
経営者の原点は「損益計算書」と「貸借対照表」を「読む力」が基本中の
基本です。
ところが、この二つの重要な表を読むことが出来ずに経営している
経営者がどれだけ多いのかという衝撃の事実は私自身が社長になって
様々な社長さん達と交流をしてとても驚いたことです。
「私は感覚で解っているから見る必要がない」とまで平気で言いは放つ
社長さんが意外に多いのです。しかもそのようなこと言われる社長さんの
ほうが経営的にはうまく行っていることが多いことも現実なのです(笑)
まさに経営のセンスがある方でしょう。
しかし、前述のとおり、客観的に判断する為に財務諸表は絶対に必要で
あって優秀な経営者であることうんぬんというよりも第三者に経営の状況を
説明にするには財務諸表は絶対に必要であることは間違いのない事実です。
経営する為に絶対に必要な財務諸表ですが、事業承継において後継者に
「損益計算書」や「貸借対照表」を「読む力」を教えないで後継者にしてしまう
事業承継が多いのも現実です。
会社を経営して行く以上せめて儲かっているかいないかを判断する損益計算書
の見方が解らないのはありえないと思いますし、貸借対照表の貸方・借方の
バランスを一致させることが経営の基本であることを知っている必要は絶対です。
ではなぜ「損益計算書」と「貸借対照表」が重要なのか一言で説明しますと
損益計算書は一年毎の成績の通知表であり、貸借対照表は創業から今日までの
財産の歴史書みたいなものです。
まずは意味合いを理解して、さらにそこから未来を予測できるようになることは
経営者の必須項目です。
もちろん、財務諸表が読めるからといって経営が上手くいくほど、経営は甘くは
ありませんが、泳ぎ方も知らないで、大海原を一人で泳いでいくようなものです。
泳ぎ方を教えることも事業承継の重要な項目です。