平常時と非常時
2020年という年は東京で2回目のオリンピックが開催された年と
後世に残るはずでしたが、新型コロナウィルスが世界中に蔓延して
パンデミックを引き起こし、世界中の経済が麻痺した年というなんとも
忘れられない災難が降りかかった年と記憶されるでしょう。
多くの世界のリーダー達が「国難」「戦争」という非常時であることを
強調した言葉で危機感を表現していますが、まさに今は「非常時」である
ことは誰もが否定できないことです。
平常時には問題にもならないことが数々の問題点として次々に起こること
が非常事態であり、平常時には決して選択をしない強権を発動しなければ
迅速に問題を解決することができないのです。
一般的に平常時はボトムアップ型の組織のほうが現代社会の常識には
マッチしますが、非常時にはトップダウン型の方が有利だと言えます。
しかも今回の新型コロナウィルスクラスの問題の対処には強力な
トップダウン型のリーダーシップが有効です。
なぜなら、中止・延期という決断はトップしかできないのです。
企業において緊急事態は時を選ばずいつ発生するかわかりませんが、
事業承継してすぐに発生した時には非常に要注意です。
前述のとおり、非常時には強力なトップダウンが有効ですが、後継者が
強力なリーダーシップを発揮できる環境に無いのです。
トップマネジメントとしての経験不足と会社組織の未成熟が危機に
対応できないことが多くあります。
なぜならば、危機管理とは一言で表現すると「想定できることをすべて
想定すること」です。
物事を想定するには知識だけでなく、経験がものを言うのです。
基本的には事業承継は平常時に行うのが望ましいのです。
残念ながら継承後にすぐに非常時に突入した時は経験豊富な
前任者のサポートが必要です。
非常時の対応を継承者に丸投げしないように並走して走ってあげる
心意気が大切です。