株式を継承
事業承継において、株式を次の世代に継承することは絶対に必要なことです。
私はあえて株式の継承については著書の中でもこのブログ上においても
これまで触れませんでした。なぜならば、税理士などの士業の先生方が
事業承継の著書を書かれると決まって賢い株式の継承のノウハウについて
触れるからです。私は専門家ではありませんので、株式の継承についての
テクニックは語ることを控えてきました。
それでも、あえて語るべき株式を継承する本質だけは記述しておきます。
賢い株式の継承とはつまりはいかに「節税をするか」ということになります。
株式は有価証券であり、資産価値がある以上、相続・贈与・譲渡というような
方法をとって次世代に渡す場合は何らかの税金が発生するケースが大半です。
定められたルールの中で、知恵を絞って税金を安くすることを節税といい、
定められたルールを逸脱して税金を安くすることを脱税といいます。
社会通念上節税は許されますが、脱税は絶対にしてはならないことはあえて
語るまでもありませんが、そればかりに囚われてしまうと本当の意味での
株式の継承の意義が失われてしまい、事業承継は失敗となってしまうことに
繋がりかねません。
株式の移動は権限の移動のであり、株式の移動がない継承は名目だけの
継承であり、継承者のやる気や本気度に水を差す結果になってしまうのです。
事業承継の難しいのは、誰もがタイミングを見計らって行いたいのですが、
想定通り、物事が進むことのほうが本当に珍しいのです。
人の生死や会社の業績の可否、天災、お取引先はじめ利害関係者の
各種の事故などなどの事象に大きく左右されるのです。
流動的な情勢に合わせてベストなタイミングを狙うことはそもそも奇跡に近く、
事業承継はベストを目指すよりもベターで「すべて良し」と思うべきなのです。