業績の不振時の立ちまわり
経営者として予測出来ないもの代表的なものは「売上」です。
こればかりは努力はしてもその結果が正比例するものではなく、
様々な要因によっては上下します。予測していた売上よりも
大幅に増えることは一見すると良いことかと思いますが、急速な
売上のアップにより人員の不足を招いたり、商品の提供が遅れたり、
商品そのものの品質の劣化等々の問題を引き起こします。
長く企業を永続させるにはなるべく正確な売上予測に基づく企業の
計画を立て計画通り運営していくことが一番経営者として重要なことです。
業績が不振になると会社のトップの仕事は格段に増加します。
まずは資金繰りの仕事が間違いなく増えるのです。
金融機関と日頃から連携を密にしていないと対応に苦慮することが
多々あるのです。
そして一番の仕事は改善策。赤字であれば問題箇所の止血を止める
こと。その上で業績回復の為の対策が出来ることが肝要です。
業績不振時の立ち回りで一番大切なことは
「過去のしがらみを断ち切る」ことです。
本当に捨てるかどうかは別として「捨ててしまう勇気」を持つことが一番です。
事業承継の際に、後継者にどうしても引き継いでもらいたいことを先代から
多々、受け継いでいる後継者は「捨てる」という行為を実行することに
一番苦難が生じます。創業者であれば、自分自身が創り上げてきた有形無形の
財産ですから捨てることも自己で完結しますが、後継者は
そうはいかないのです。
大切なのは先代がご存命であれば「捨てる」ことの相談を直接すること。
残念ながら、直接の相談が出来ない時は仏壇やお墓で手を合わせるだけで
不思議と捨てることの勇気が貰えるのです。
本来、事業承継は後継者が業績不振に陥った時に窮地から抜け出す力を
承継しなければ事業承継とはいえません。
しなしながら、なかなか有事の体験を後継者にさせることは優良企業で
あればあるほど難しいものです。
であるならば、業績不振の時に後継者が一人で悩むことの無いように
信頼できる相談者を周りに配置できるような環境を整えてあげることは
先代の役目なのです。