M&Aという事業承継
事業承継を考える時に後継者の不在によりM&Aという手法で、事業を継続する
ことを選択することが最近はとても多くなってきました。
後継者の不在といってもオーナー企業において実の息子や娘がいても、
事業を継承するに至らず、会社を売却すること選択するのは残念という側面は
ありますが、その会社に携わる従業員や取引先などのいわゆるステークホルダーに
とっては発展的な事業継続に繋がることが多い為に全体を俯瞰するならば、
決して残念という結果にはならないものなのです。
この先の日本は2040年に死亡人口がピークを迎え約167万人の人が亡くなると
いう予測が厚生労働省より出ています。
すべての産業において人口が減少していくということは労働者の減少に加えて、
国内の消費が減っていく訳ですから、市場規模が減少することはどうしようもない
現実です。
市場規模が減少していくということは事業を継承しても以前のように売上が確保
できない可能性が非常に高く、事業の継続を将来的に断念せざるを得ない可能性を
秘めている中でM&Aで事業譲渡を考えるオーナー社長が増えているのは
必然なことなのです。
M&Aを検討するのは引退間際の60代・70代の経営者が多いと思いがちですが、
今、事業譲渡を選択するオーナーの相談が一番多いのは40代だと聞きました。
2040年を見据えて、自分自身が40歳前後で子供が小学生であるケースが一番
相談が多いのだとか。
これから日本での消費が減少していく中で、事業を継続し、現在小学生の子供が
経営をバトンタッチする頃が2040年頃では明るい未来の見通しを描くことは
なかなか困難なことかもしれません。
ならば、早いうちに事業を譲渡してしまおうという考えはある意味正しい
と思うのです。
事業承継において後継者に事業を継承していく為には、やはり企業が安定して
儲かる体質にあることは絶対な条件です。
何も赤字で儲からない会社を継承したいと思う人は基本的にはいないでしょう。
企業において未来を創っていくことは事業継続の絶対的な条件であり、その為に
努力をすることは経営者にとって事業承継の基本動作だと思うのです。