近江商人の商売十訓は知っているべき
企業おいて中心にあるべきものの考え方は「売上」でも「利益」でもなく「理念」であるということは成功をする経営者が知っているあたりまえの法則です。
近年企業のCSR(社会的責任)を世間が求める世の中では常識といってもいい法則ですが、次世代を担う企業の後継者がCSR(社会的責任)について充分に理解をしているのか疑わしいものです。
世間の怒りを買ったBIGMOTORの不祥事はあまりにもお客様軽視であり、企業の利益追求の姿勢にその企業で働く従業員を追い詰め、犯罪行為まで行こなわせる結果となり、結果的にBIGMOTORに関わる全ての人に多大なる迷惑をかけたのです。
前社長の息子である前副社長が実権を握ってからは特別にノルマやルールがきつくなり、従業員が追いつめられていったことは残念でなりません。これではBIGMOTORの事業承継は大失敗だったと言わざるを得ません。
こうした中、企業の理念に近江商人の「三方よし」を企業の理念として採用する企業が増えているのです。
「売り手良し」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」ですが、その考え方の根底にある「近江商人の商売十訓」はこれから経営者になるべき人は絶対に知っているべきだと思うのです。
近江商人の商売十訓
1.商売は、世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり
2.店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何
3.売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる
4.資金の少なきを憂うなかれ、信用の足らざるを憂うべし
5.無理に売るな、客の好むものも売るな、客の為になるものを売れ
6.良きものを売るは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり
7.紙一枚でも景品はお客を喜ばせる、つけてあげるもののないとき笑顔を景品にせよ
8.正札を守れ、値引きは却って気持ちを悪くするくらいが落ちだ
9.今日の損益を常に考えよ、今日の損益を明らかにしないでは、寝につかぬ習慣にせよ
10.商売には好況、不況はない、いずれにしても儲けねばならぬ
この十訓は経営の羅針盤であり、そのまま忘れてはならない経営の教科書です。
特に➀の「商売は、世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり」は三方よしの原点であり、⑩の「商売には好況、不況はない、いずれにしても儲けねばならぬ」は事業を行う上でとても考えさせられる究極の心持ちです。
混沌とする現代でも充分に通用する近江商人の商売十訓は経営者として絶対に知っているべきことであり、時折、自分自身の行いを振り返る時に検証する10の掟なのです。