反対多数
社会人になって最初に受けた研修で講師より教えて頂いた
「会社は民主主義ではない」
という言葉に当時の私は大変なカルチャーショックを受けたことを
今でもはっきりと覚えています。民主主義の国に生まれ、学生時代は
学級委員を選ぶにも多数決で決めていた世界しか知らなかった私には
直ぐには理解の出来なかったのです。
事業を行う上で、新規の事業を行うときには会社内でも多数の反対意見
が大勢を占めてしまうことがよくあります。
成功した事業のことを後から振り返ってみると、反対を押し切ってやり抜いた
ことのほうが多いのです。
これまでの常識に縛られて判断すれば、「反対」という意見になってしまい
ますし、どうしてもリスクのことを考えると慎重になってしまうことがが
ほとんどです。
事業承継のおいて、後継者に備わってなければならないのは反対多数の状況
の中でいかにして意見を押し切る力だと言えます。
リーダーとして、結果的に判断した事柄が間違ったとしても貫く強さとそのことに
対して責任を取る覚悟がなければ絶対に後継者にはなってはいけません。
今の世相はポピュリズムになりがちですが、会社というものは継続する為に
常に利益を出し続ける使命があり、利益を出すということは人とは違う着眼点が
往々にして必要になってきます。
事業を渡す側が反対多数の意見を押し切る力と責任を取るという力が無いと
判断している間はなかなか事業継承が進まないものです。
人との協調性は大切なことですが、良い意味でのワガママは経営者として
もっと大切なことなのです。