トップの決断力
経営者にとって一番大切な仕事は「決断すること」であり、
「決断」することが経営者の仕事だとも言葉を置き換えられます。
もっといえば、企業のトップは「決断」さえすれば、あとの雑務は
何もしなくても、役割は果たしているともいえるほど、決断することは
重要なのです。
私自身も社長業を14年やっていますが、毎日小さなことから、大きな
ことまで、決断の連続です。
決断がする・しないという議論の前に決断が速い・遅いという議論があります。
決断というものは根底には「正確さ」が一番大切なことですが、遅いより、
早いほうが良いことのほうが多いはずです。
チャンスというものは一瞬であり、ぐずぐずしているとチャンスは逃げてしまう
からですし、物事にはタイミングというものがあります。
最近、私も「決断が速いですね。」と第三者の方から言われることが多く
なりましたが、自分自身が決断が速いとは思ってはいないのです。
それでも、他人から見れば「速い」と感じて頂ける理由は、常に考えている
からなのです。つまり、「想定外」を少なくすること、あらゆることを想定して
いるから、決断を迫られた時に、瞬時に対応できる能力が身につくのです。
決断のスピードを速めるのは社長のしての経験は重要です。
しかしながら、事業継承時に「決断」のスピードが遅くなることは、多くの
人に迷惑がかかってしまうのです。
先代と比べて「決断」のスピードの遅さが組織内の人々のストレスとなり、
新しい社長は先代と比べてダメだというレッテルを貼られがちです。
決断力をあげる訓練は事業承継前から行っていなければなりません。
想定外を想定することの訓練は事業承継後も絶対に必要な訓練なのです。
決断力を磨くことは事業承継では重要です。
しかし、当たり前すぎてスポットライトがあたらないことが時としてうまく
いかない要因になってしまうものです。