平等か公平か

平等と公平の違いは理解ができていますでしょうか。

平等とは「差別や偏りがなく、一様に扱うこと」

公平とは「能力や貧富の差に応じて適切な扱いをすること」

なのですが、平等主義と公平主義は権力者が時として区別を

意識せず、同様なものと扱ってしまい混乱を招くもとになって

しまうことがあります。



私が社長になる前に先代である父親と大喧嘩をして、結局その

ことが社長になるきっかけとなった出来事も平等主義と公平主義の

闘いでした。

当時の弊社の賃金体系は入社10年目の社員も入社1年目の社員も

基本給は同額でした。基本給が同じことが結果的に社歴の長い社員は

不満に思い入社3年目から5年目くらいから退職を希望される社員が

多くなり、熟練の技術を持つベテラン社員がなかなか定着をしない会社

でした。私がそれを何とかしないといけないと思い、先代に要求として

掛け合った時に先代が社員は自分の子供と一緒で、長男・次男の違いは

あるが、みんな同じ基本給で良いというこれまでと同じ回答でした。

しかしながら、サラリーマンの経験のある私は基本給は勤続年数に応じて

定期昇給させるとかしないと働く側は不満を持つことと頑張ったら

頑張った分だけ評価される給与体系にしないといけないということを

私が主張したら

「そんなにいうなら社長になってから言え!!」

と言われ、売り言葉に買い言葉で

「(社長を)やってやるわ!!」

ということになり、当時30歳で社長になったという私の事業承継の経緯は

これまでも雑誌や新聞のインタビューでも何度もお話しをさせて頂いています。

結局のところ、喧嘩の原因は父親は平等を大切に、私は公平を大切にした

結果でした。




人事評価というのは最低限の平等が必要ですが、公平性が大切であると

私は思います。それが企業の成長に繋がります。

公平性を追求していくことは大切なことですが、社員としての平等を

守ってあげることもとても大切なことです。

社員ひとりひとりと向き合う時を絶対に平等でなければなりません。

それが人と人との平等です。

その上で公平主義な組織でなければ、企業は成長をしないと思います。

だからこそ、企業のトップは公平主義であるべきなのです。

ところが、公平性を突き詰めていくと社員から突き上げをくらうことが

あります。社員のレベルでは実は平等を求めていることが多々あるのです。

そこの経営者側と労働者側のミスマッチが多くのトラブルを招くのです。





企業経営において平等と公平のバランスはとても大切です。

だからこそ、平等と公平の違いを社員の皆さんに理解して貰うことが

バランスをとっていくのに一番の近道なのです。















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